前編:2017年度母親講座・第17回、オヤジの会・第10回『「働かねば」と「働きたい」は全く別物』。

気温がガクンと下がったここ最近、10/15:オヤジの会(父親講座)と10/17:母親講座『「働かねば」と「働きたい」は全く別物』にも多くの親御さんがご参加くださいました。

 

今回は日程が近かったので、両日を合わせた形でブログを前編・後編という形でお届けします。

 

最初に桝田代表の方から、かなり大変な状況からSCSに入会され、回復に至った最近のケースが紹介されました。

 

 

今のようにネットで簡単に情報が取れなかった時代(今もそうですが)、多くの困り果てた親御さんたちが最初にリーチするのが病院、次に行政、そして近隣のカウンセラーといった順番になるのが普通です。

 

そのステップでひきこもりが直るのであれば良いのですが、大概はステップを踏めば踏むほどケースとして拗れるもの。

 

拗れて拗れて、SCSにたどり着かれるのです。これはSCSが東京都若者社会参加応援事業登録団体という東京都とオフィシャルに関係している団体だとしても、そこは民間組織だからなのだと思います。

 

紹介されたケースは「拗れて、こじれまくって、病院からは重い確定診断がついていました。SCSで親が取り組んで、徐々に本人の中に『生きていく』という希望の火が灯って、やがて意思に力が宿って、就労にたどり着いた青年の話」でした。

 

私自身も、そのクライエントさんを知っていたので「まさか、このタイミングで就労に!?」という驚きと、「よくここまできたなぁ」しみじみとした思いがありました。

 

 

 

 

上記ケースの紹介を経て、私の講義の時間に親御さんへ問いかけました。

  1. 我が子がひきこもっているこの状況に、自分(親)が苦しんでいるから、支援を求めるのか。
  2. 我が子がひきこもっている状況に、その苦しみが伝わり助けたいから、支援を求めるのか。

 

もちろん、両方だと言いたいお気持ちはわかります。ただ、どちらに重み付けがあるかでひきこもり回復に差が出ているように私は感じます。

 

「どっちだって同じでしょ?」という方はSCSには向かないのかも知れません。

 

これは、ひきこもり回復に何を求めるか?というテーマと関係してくるのです。

 

 

著名な支援家の中には「とにかく一人でも就労にリーチさせて納税できるようにしないと、日本の未来が大変だ!」と声高に唱える方がいるのも事実で、それはその通りなのですが…。

 

世界に1人しかいないその子の親が、我が子に対して「納税できる人間になることを求める(就労フレーム)」スタンスで良いのでしょうか?

 

SCSを卒業され、弁護士を目指し最近に法科大学院を卒業した青年が言い放った言葉が思い出されます。

ただ納税するだけのマシーンになる人生、そこに一体何の意味を見出せというのか?

 

 

 

 

親が引きこもる我が子の苦しみに耳を傾け、彼らの未来を信じ抜いた時

その時に、ひきこもっている我が子のこころに“吹けば消し飛ぶくらいの「希望の火」が灯る”のです。

 

この火が外界の圧力で消えないように、自分の力でその火を強くしていけるように寄り添い続けるのが親の役目なのではないでしょうか?

 

こんな視座で、我が子を見た時『「働かねば」と「働きたい」は全く別物』だという意味がわかるのだと思います(「就学せねば」と「就学したい」も同じです)。

 

 

次回は、上記がどう違ってくのか?を講座のレポを中心にお伝えします。

 

 

スタッフ 桝田智彦

 

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