2017年度母親講座・第19回『生きる本能とトラブルはハッピーセット』。

久々の更新となります。

その間にあった「父母合同1日親の会」はゲストがいらっしゃったり、お話くださった内容にセンシティブな内容を含んだりしますので、当日ご参加くださった方だけのものとさせて頂きました。

 

 

 

 

第19回のタイトルは『生きる本能とトラブルはハッピーセット』。

 

個人的には「これまた機知に富んだタイトルだな〜」と思うのですが、ひきこもり・不登校の子を持つ親御さんからしてみればトラブルなんて「これ以上問題を起こさないでくれ!」と思うお気持ちもわからないでもない…。

 

では、なぜ「トラブルがハッピー」なのか?

 

ひきこもり・不登校のお子さんでも、我々として「ああ、この子は順調に回復してくだろうな」と思わせてくれる子は大概、トラブル(問題)を起こしてくれるもの。

 

例えば、「昼夜逆転」、「家の中で怒鳴り散らす」、「変えられない過去についてしつこく文句を言う」、「親のどちらかに出て行けと迫る」、「(親の財布から)深夜、大きなお金を盗む」、「リストカットをするそぶりを目の前で見せる・言う」、「親の布団に入ってきて甘える」…この辺りが定番かと思います。

 

こう言ったトラブルは、病院や行政絡みの施設に行くと大概、問題行動は問答無用で静止され、社会的に望ましい行動の獲得に向けてトレーニングが提供されます。

 

 

ちょっとだけ話を変えますが、「本能」を「欲求」と変換した場合、どんな状態に「欲求」があって、どんな状態に「欲求」がないでしょうか?

 

答えは簡単。死人には「欲求」がないのです。

つまり、生きているからこそ、発動される「欲求=本能」には必ず意味があるのです。

 

トラブルの背景に“ 必ず存在する意味 ”を親が理解して行くと、子は変わって行くのです。

(熟練カウンセラーや臨床心理士ならば、この辺りの読み解きは出来て当然のスキルなのですが、ことひきこもり支援の現場にはまだまだ臨床心理士が足りていない現実があることは非常に残念です)

 

そう言ったって、「具体的に教えてくれないと分からないよ!」と思われるでしょう。

 

 

 

 

その意味に届く力を身につけるために、SCSの勉強会とカウンセリングは存在しているのです。

 

でも上のケースで一つだけ。「お金」が「愛」の象徴だとしたら、お金を盗むと言う行為は何を意味するでしょうか?…ちょっと、分かって来ませんか?

そして、枝葉の問題をその都度、剪定するような関わりには意味がないのだと思いませんか。

 

2017.11.27の産経新聞「ひきこもり就労支援、半数の自治体が断念。「新しい環境に拒否感」「必要性を理解していない」」と言う記事が出ました。

 

この記事を見て、並の支援では行き詰まるのだなぁ、その前に「新しい環境が怖くても、働いてみたい」と言う欲求を育てて行かないと無理もないなぁ…と思いました。

 

並の支援では、ひきこもりの問題は回復しない。親も支援者も「並」から出た時に、「生きているからこそ本能的に生じる欲求。その欲求がトラブルという形で出て来たとき、親が良質に対応した時に、確実な変化が生じてくるものです」。

 

それが、ひきこもる子も、迷える親御さんも、ハッピーになって行く方法なのです。

 

思い悩んでいる親御さん、親だからこそできることはまだまだあります

 

 

 

 

SCSの親の会は、12月で一度リセット。

1月から再び、新年度としてスタートします! 子の回復に向けて、ご一緒に参りましょう!

 

スタッフ

桝田智彦

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です