なぜ、親の勉強会が必要なのか。
先日、面接をさせて頂いたお母様がこうおっしゃいました。
「(親である自分の)価値観を広げるには行動がともなうんですね」
この言葉は非常に的を射ていると感じます。
例えば、ひきこもりや不登校の本を読んでみて「親としてどうしたら良いか」は分かるものです。
それはある意味でテクニックとして知識を得ていることとして有用です。
しかし、知っていることと理解している事は異なります。
「親としての自分の振る舞いや言動が変わると、なぜわが子が変わるのか?」
この答えをただ知っていたとしても、親自身に行動を伴う理解が得られないかぎり「自分は変わった」と思っても、わが子が感じるほどの変化は生じていないものです。
なんでこう言ったことがよく生じるのか?
それは、親自身が自分の価値観の中(心地よい範囲の中で)なそうとした事柄だからです。
この心地よい範囲を心理学ではコンフォート・ゾーンといいます。
私がひきこもり・不登校というテーマに従事してきて思うのは、「それまでの親の価値観の中で生じたテーマなのですから、従来の価値観の範囲内で解決しようとしても難しい」ということです。
つまり、回復や解決のエレメント(要素)は大概、親の価値観の外側にあるのです。
それは、親自身がコンフォート・ゾーン(心地よい価値観の範囲の中)から出る必要性、つまり行動することを意味します。
ではどうしたら良いか?
それに一番ふさわしい、自分の価値観の拡大は親の勉強会に定期的に参加されることです。
別にSCSの勉強会でなくても良いのです。家族会や行政が実施している講座もあります。
そこで自分とは異なる価値観を持つ他人に触れ続けること、その為には「実際に行動すること」です。
定期的な面接は問題なくいらっしゃる親御さんでも、勉強会となると途端に消極的になられる方がいらっしゃいます。
それはきっと、ご自身のコンフォート・ゾーンから出ること、それまで信じてきたご自身の価値観が揺さぶられることに抵抗や不安を感じているのだと思います。
「わが子のため」と言いながら、無意識では「自分の殻から出られない」=自分が一番かわいい…のかもしれません。
別のお母様はこうおっしゃいました。
「(自分の)内面が変わっていくことって、そんな簡単なことじゃない。
苦しみ抜いたところで、あがいて、自分の変化って大変で、いろんなトコロをくぐり抜けて変われる。
苦しまずに態度だけ変えても、変われるものじゃない。
でもね、いろんな学びからここに来れたからね、ありがたいなぁって。こういう勉強って一生モノだなって。」
この言葉を皆さんはどう思われるでしょうか。
この気づきと逞しさがあるお母さんが家にいるのと、いないとでは家の雰囲気は全く変わってくると思います。
ひきこもりに限りませんが、「あなたの避けたいところに、解決のヒントはあるものです。
…思わず、書き過ぎてしまったようです。
本日もブログをお読みくださり有難うございました。
(お母様お二人から、発言の引用の承諾を頂いております)
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桝田智彦(ますだ ともひこ)