母親講座・第20回、オヤジの会・第10回『親自身の実感』。

新年を迎え、当ブログをお読みくださっている方々はどんなお気持ちでいらっしゃるか?そんなことを考えながら文章を打っております。

 

12月最後の母親講座(第20回)、オヤジの会(第10回)のタイトルは共に『親自身の実感』でしたので、今回も合併ブログとさせて頂きます。

 

 

 

前回少しだけ触れましたが、11月27日の産経新聞『ひきこもり就労支援、半数の自治体が断念 「新しい環境に拒否感」』(←リンクあり)という記事がでました。

『ひきこもり当事者へ向けて就労支援を行っても「就労支援そのものの必要性を理解していない」「新しい環境に拒否感」があって自治体の半数以上が支援を断念していることが厚生労働省の調べで分かった』というのが記事の要約となります。

 

この記事に対して、様々な方がリアクションしておりますが、「ひきこもりの真のニーズを掘り起こせていない…」等に着陸することが多い印象を持ちます。。

 

これは、多くのひきこもり支援の場で10年前から聞こえて来ることであり、言い変えれば10年前と何も変わっていないのです。

 

そして、何よりも驚くのが「親が〜」という言葉が一つも出ていないこの事実

 

 

 

 

我々、臨床心理士は基本的には学部と修士課程で心理学を学ぶのですが、臨床心理学に留まらず、心理全般(発達心理学・生理心理学・集団心理学・学校心理学等)を踏襲しますし、専門分野の学術論文やエッセイは全部読みます。

そこでは、赤ん坊が幼児期を経過し児童期・青年期を経過しながら無形の心(自我)というモノがいかに形成されて行くかも学ぶのです。その学びを通していけば答えは簡単に出るように思います。

 

私の言いたいことは非常にシンプルでして、「親が子に与えて来た影響、そして今も与える影響」は(親以外の)環境要因とは比べ物にならぬ程大きいということです。

 

親が取り組むSCSの回復方法の効果は?と思われるでしょう。

 

その実例を聞けたのが今回のテーマ「親自身の実感」でした。

  • 絶望状態からきつい神経症を超えて復活途中のケース
  • 田舎から出て来て東京で深刻なひきこもり状態となり命の危うさを超えて回復したケース
  • 障害を抱え自殺企図を繰り返した若者が未来を自分の力で手繰り寄せ、歩み出したケース

 

これらの回復には全て「親が参加している」のです。

 

 

 

 

 

あるお父さんが言いました。

振り返れば、私は養育を受ける過程で祖父母や親にいつも愛され守られて来たと思います。一方で、我が子に同じようにして来たか?というと、そうではなかったと正直思います。今、子が望むように沢山愛してやりたい。そして、愛される環境を作ってやりたい」と。

 

「愛される環境を作ってやりたい。」私はこんな言葉が聞けるSCSカウンセラーでよかったと思いますし、聞かせて頂いたこの言葉を一生忘れないと思います。

 

あと10年経過すれば「ひきこもりの真のニーズ」が掘り起こされ、そこに有用な支援が入るかも知れません。しかし、それは今の所、誰にも分からないのです。

 

よって、私がお伝えしたいことは、(混乱・錯乱・長期化・暴力化・確定診断化等を含む)ひきこもり回復には「親が取り組む」ことが今の所、一番確実な方法だということです。

 

 

 

 

2018年母親講座は1月16日(火)から新年度が始まります。

 

子の復活に向けて、ともに参りましょう!

 

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